どら焼きの原型を生んだ!150年以上続く老舗和菓子店「梅花亭」はどんなお店?

子どもから大人まで多くの人に愛される、国民的菓子と呼んでも過言ではない「どら焼き」。その原型を生んだ和菓子店をご存じでしょうか。そのお店は「梅花亭(ばいかてい)」と言い、明治時代にどら焼きにそっくりな「銅鑼焼」というお菓子を作っていました。今回はそんな梅花亭について詳しくご紹介していくので、チェックしてみてください。

どんなお店

梅花亭の創業は嘉永3年(1850年)で、150年以上もお店をかまえられている東京都霊岸島にある老舗和菓子店です。日本橋茅場町にあり、証券会社が立ち並ぶ街並みに控えめに佇んでいます。お店はとても小さく、のぼり旗は出ていますが見逃さないように気を付けてください。店内もこじんまりとしているので、大人3人ほどが入るといっぱいになってしまうほど。しかし、お持ち帰り専門のお店なので、人の出入りはスムーズですよ。先ほども紹介したようにどら焼きの原型ともいわれる平たいどら焼きが有名なお店なので、どら焼き好きにはたまらないお店になっています。また、店内には日本を代表する老舗が名前を連ねる、「東都のれん会」のメンバーである証もあります。

梅花亭の人気メニューは?

そんな平どら焼きが有名な梅花亭にはどんなお菓子があるのでしょうか。梅花亭おすすめの人気メニューをいくつかご紹介していきます。梅花亭に訪れた際の参考にしてみてくださいね。

梅花亭 梅もなか

梅花亭の「梅もなか」という商品は、名前の通り梅の形をした最中です。もなかの名は後撰和歌集の源順の歌にもある「池の面に照る月なみを 数ふれば今宵ぞ 秋の最中なりけり」からとったもので、江戸時代当時は円形薄型が主流でしたが昭和9年店主が厚みのある一口サイズの梅型にしました。ふっくらとした丸みのある梅の花は見た目にも可愛く、色も淡いピンクや白などがあり見ているだけで癒される和菓子になっています。茶色がつぶ餡、ピンクが白餡、白がこし餡と三種類あり、薄い皮の中にあんこがギッシリ詰まっていて濃い目のお茶とよく合いますよ。

値段
梅花亭 梅もなか 
6個入れ 1,150円
8個入れ 1,550円
10個入れ 1,900円
12個入れ 2,300円
15個入れ 2,850円

どら焼き

先ほども紹介したように梅花亭は今では和菓子の代表と言っても過言ではない、どら焼きの原型を作ったお店です。そんな梅花亭のどら焼きは明治の初めに、当時のお店のご主人が船の鐘(銅鑼)の形から生み出しました。私たちが見かける一般的などら焼きは、ホットケーキのような2枚の皮の間にあんこが挟まれてふっくらとしたフォルムを思い浮かべる方が多いと思います。ですが梅花亭の銅鑼焼はペタンとした形が特徴で、2枚の皮に餡を挟むスタイルではなく餡が生地に包まれている状態になっているのです。一時期製造をお休みしていましたが、数々の文献で「どら焼き」発祥の店として知られていたため復活を待望する声が後を絶ちませんでした。そのため、平成10年に復活し今でも梅花亭の看板商品として多くの人に親しまれています。生地の間に餡がギューと押しつぶされて独特な食感が楽しめる銅鑼焼は、クセになる方も多くいます。また、梅花亭のどら焼きを購入すると袋の中に達筆な字で綴られた紙が入っています。この紙にはどら焼き誕生の経緯が書かれていて、どんな経緯だったのか読んでみるのもおすすめです。

値段
梅花亭 どら焼き 5個入り 1,300
梅花亭 焼き菓子 6個入れ 1,150円
梅花亭 どら焼き 8個入り 2,100円

亜墨理加万頭

梅花亭のお菓子の中に、「亜墨理加(アメリカ)万頭」という物があります。このお菓子は栗饅頭の原型とされていて、幕末に西洋人が好んでいるという焼き菓子の話を基に作られました。嘉永年間の創始で、梅花亭の歴史的銘菓でもあります。また、初めてパン釜で和菓子を焼いて製造したとされる商品で、梅花亭のもうひとつの名物にもなっています。皮の薄さ白餡との風味が良く、しっかり火を通すことで餡の表面がカリッと巻き上げられています。トップの胡桃との相性は抜群で、ペリーが浦賀沖に来航した当時はこの饅頭は話題になったそうです。

季節限定人気商品は?

そんな歴史あるメニューが数多くある梅花亭ですが、その季節しか食べることができない期間限定商品もいくつかあります。それは毎年10月19日、20日に「べったら市と恵比寿講」というイベントが開催されており、梅花亭が創業した大伝馬町ならでは。いろいろなお店の「べったら漬け」も名物として親しまれていますが、梅花亭がこの時期限定で販売する限定メニューが江戸時代より親しまれているそうです。今回はそんな梅花亭でぜひ食べてほしい、期間限定商品をいくつかご紹介していくので参考にしてみてください。

切山椒

梅花亭にある縁起物のお菓子として知られているのが「切山椒」。上新粉にさんしょうの汁または粉と砂糖を混ぜて蒸し、薄くのばして5~6cmほどの拍子木形に切ったもの。紅、白、緑のの淡い3色があり、拍子切りの餅のようになっています。もちっとした食感ですが、餅というよりは求肥のよう。控えめながらも砂糖の甘さがを感じることができる、江戸時代から伝わる素朴な食べ物です。一見子どものおやつのようですが、山椒の風味がしっかりと突き抜けるので大人の味になっています。一袋にたっぷり入っているので、少しづつ食べたい方におすすめです。この切山椒は10月にある日本橋~小伝馬町界隈で行われる「べったら市」でしか販売されないので、べったら市に参加することがあればぜひ買ってみてください。

喜利羊肝

毎年売り切れになるほどの人気商品のひとつが「喜利羊肝」。こちらもべったら市の時だけ販売していて、栗がごろごろ入った栗蒸し羊羹です。この期間だけの人気メニューですが、先ほどの紹介したように人気商品なので早めの購入をしてくださいね。

お取り寄せはできるのか?

東京都小伝馬町にある梅花亭ですが、小伝馬町に行く機会がければなかなか購入することが難しいですよね。そんな方にもうれしいのが、梅花亭のお菓子はお取り寄せする事が可能になっています。自宅で気軽に注文することができますよ。先ほども紹介した「どら焼き」や「梅もなか」も購入可能です。セットになっている物もあり、手土産にもぴったりです。すべてのお菓子を購入できるわけではないですが、梅花亭のおすすめメニューを気軽に楽しめますよ。小伝馬町に行く機会がない方はぜひ利用してみてはいかがでしょうか。

店舗情報

いかがでしたでしょうか。梅花亭は150年以上の歴史を持つ老舗和菓子店。お店は小伝馬町交差点からすぐの場所にあり、最寄り駅は東京メトロ日比谷の小伝馬町駅になります。この小伝馬町駅からは徒歩1分ほどで着くので駅からのアクセスが良いのはうれしいですよね。お店はかなり小さいので見逃してしまいそうですが、のぼり旗などが出ているのでよく見てみてください。先ほども紹介したように公式オンラインで販売を行っていますが、すべての商品を販売しているわけではありません。そのため、期間限定メニューや店舗限定メニューで気になるものがある方はぜひお店に寄ってみてください。漢数字の六が大きく焼印されて青エンドウの餡が入った「三笠山」や粒あんがぎっしり入った「きんつば」なども、美味しい歴史あるお菓子がたくさん待っていますよ。お持ち帰りの際に入れてくれる、家紋の入った紙袋も老舗和菓子店の梅花亭らしい特徴のひとつ。お土産にもおすすめなのでぜひチェックしてみてくださいね。

店舗情報
店名:梅花亭 本店
住所:東京都中央区新川2丁目1番4号
営業時間:9:00〜17:00
定休日:無休