老舗「村岡総本舗」佐賀名物の小城ようかんを守り伝える

佐賀県にある「村岡総本舗」の創業は明治時代。長崎の出島から入る砂糖を運んだ道「シュガーロード」の街道沿いには、様々な和菓子が生まれてきました。

佐賀県の小城羊羹もその一つ。「村岡総本舗」は、伝統と歴史を今に伝えるお菓子を作り続けています。

今回は、「村岡総本舗」の和菓子をご紹介します。

創業明治32年「村岡総本舗」羊羹や和菓子の専門店

「村岡総本舗」は、村岡安吉が本格的に羊羹の製造を始めた明治32年に創業。佐賀県の名物である小城羊羹を作り続けて100年以上が経ちます。

戦時中には、「東京虎屋」と共に海軍に納める和菓子を作り続けることを認められたお店。「村岡総本舗」は、江戸時代から続く「小城羊羹」の伝統と技術を守り伝えているのです。

現在は、佐賀県の直営店を8店舗構える他に、全国の販売店にお菓子を卸しています。歴史ある羊羹は、東京でも購入ができます。

「村岡総本舗 本店」は小城羊羹の名産地「佐賀県小城市」に

「村岡総本舗」の本店は、小城羊羹の名産地である佐賀県小城市にあります。

佐賀県小城市は、長崎の出島で荷揚げされた砂糖を大阪から京都や江戸へと運ぶ道「長崎街道」の宿場町として栄えます。砂糖と共に菓子の製造方法などが伝えられ、長崎街道を中心に砂糖文化が花開いて行ったのです。

人口は5万人ほどの小さな市ですが、その中には20数軒もの羊羹屋が存在している珍しい市です。小城羊羹は、明治から大正にかけて大盛況だったそう。「村岡総本舗」をはじめとした多くの和菓子屋が作り広めて行ったのです。

江戸時代から続く伝統製法での羊羹づくり

「村岡総本舗」は、今でも江戸時代から続く伝統製法の羊羹を作り続けています。昔ながらの製法の羊羹は、周りの砂糖がシャリシャリとしていて、中は柔らかい。食感と小豆の豊かな風味が人気です。

現代の物よりは日持ちがしないので、早めに食べることを勧めています。ちなみに、日が経つと羊羹の周りがシャリ感が増してくるので、食感を楽しみたい方は少し待ってから食べるのもポイントですね。

「村岡総本舗」の羊羹への強いこだわり

「村岡総本舗」では、羊羹を作る素材にもこだわります。現在ではあまり使われなくなった角寒天と糸寒天を使用して羊羹を作り続けています。江戸時代の文献には、角寒天で作られていたと記述があるそう。現在では高級な寒天を使い、昔ながらの味わいと風味を守り続けているのです。

「村岡総本舗」の羊羹へのこだわりは、1984年に開設された羊羹資料館からも伺えます。それまで砂糖蔵として使っていた1941年からの洋館を改装し、羊羹の歴史はもちろんシュガーロードの歴史などを集めた資料館へと作り変えたのです。

資料館は、国の有形登録文化財にも登録され、平成17年には、「22世紀に残す佐賀県遺産」にも選ばれました。

「村岡総本舗」人気の和菓子は?

「村岡総本舗」では、羊羹を中心に様々な和菓子を作っています。伝統的な小城羊羹は全国で人気です。

ここでは、「村岡総本舗」の人気の和菓子をご紹介します。

特製切り羊羹

「村岡総本舗」で一番人気の商品です。小城羊羹の伝統的な製法で作られた羊羹で、種類は小倉、紅煉、本煉、きびざとう、抹茶、青えんどうの6種類。

昔ながらの製法なので、早めに食べることを勧めています。時期によっても変わりますが、5月から9月は、製造日から13日間、4や10月は18日間、11月から3月は20日間の賞味期限となります。

特製切り羊羹 小倉・紅煉・本煉・抹茶 1本 800円(税込)
特製切り羊羹 きびざとう 1本 800円(税込)
特製切り羊羹 青えんどう 1本 900円(税込)
※きびざとうと青えんどうは限定販売となっているので、電話にてお問い合わせください。

小城羊羹

小城羊羹は、煉羊羹や櫻羊羹と呼ばれていました。「村岡総本舗」初代の村岡安吉が小城の地域で商標を取ろうと進言し、小城羊羹と呼ばれるようになりました。

独特な煉りが生む深い味わいや決めの細かい滑らかな食感が全国でも愛されているのです。
種類は、本煉、小倉、挽茶の3種類のみ。羊羹の文字「羊」に因んだパッケージは、可愛いと人気です。

小城羊羹 中型 756円(税込)
小城羊羹 大型 1,296円(税込)

水羊羹

「村岡総本舗」の羊羹の伝統と技術を活かし、口溶けの良い「水羊羹」を作りました。寒天だけでなく、葛も使用。程よい煉羊羹の柔らかさと素材本来の味わいを楽しめる一品です。

通年販売される「小倉」と、さらに季節によって販売される水羊羹も。紅煉やバナナ水羊羹
、カボチャなど全部で6種類が用意されています。季節ごとに「村岡総本舗」を訪れて味わってみたいですね。

小倉水羊羹 398円(税込) 通年
かぼちゃ水羊羹 398円(税込)※9月〜12月
バナナ 454円(税込)※3月〜8月

シベリア

シベリアは「村岡総本舗」が作ったと言われています。カステラに合わせて作られた自家製の餡を挟み、柔らかな食感と風味豊かな香りを味わえる、昔ながらのシベリア。そのこだわりは強く、シベリアの特設ページがあるほど。

丸シベリアと三角シベリアも用意(注文には予約が必要です)昔ながらの缶詰の柄に詰められたシベリア缶なら、贈り物にもおすすめです。

シベリア 1個 486円(税込)
シベリア缶 1,500円(税込)
丸シベリア 3,240円(税込)
三角シベリア 2,160円(税込)

「村岡総本舗」の季節限定オススメ羊羹

「村岡総本舗」では、季節に合わせた羊羹を販売しています。例えば秋から冬にかけて作られる「黒豆羊羹」です。季節ごとに味わえる良質な素材を羊羹と合わせました。

ここでは、人気の季節限定商品をご紹介します。

黒豆羊羹

白インゲン豆の紅煉羊羹に柔らかく煮た丹波黒豆を合わせました。風味豊かなコクのある黒豆を堪能できるでしょう。

販売は10月〜1月、新年のお祝いにもなる「黒豆羊羹」。「村岡総本舗」では、他の和菓子との詰め合わせも用意しています。あげまきサブレや麦と栗、とら焼きと一緒に大切な人への贈り物におすすめです。

1本 1,620円(税込)
秋冬のおすすめ詰め合わせA 3,524円(税込)

「季節の棹物」季節を届ける「村岡総本舗」

1月には正月らしく餅を包んだ「市の川」、3月は櫻羊羹や岡の花、5月はさっぱりとした味が好評の「牛尾(うしのお)」、6月には夏に向けての「祇園川」、9月は栗入り薯蕷羹(じょうよかん)「白坂」、10月には栗きんとん羊羹と「村岡総本舗」では、毎月季節に合わせた和菓子を販売しています。

上生菓子も季節によって変わっていきます。お菓子で毎月の季節を感じることができますね。祝いごとの時以外にもこまめに足を運んでみることをおすすめします。

市の川・岡の花・牛尾・祇園川・白坂・柚子の木 1,620円(税込)
栗きんとん羊羹 1本 220g 1,944円(税込)

「村岡総本舗」のお菓子は通販できる?

「村岡総本舗」の和菓子は、公式オンラインショップで購入が可能です。伝統が受け継がれた小城羊羹をはじめ、季節限定の詰め合わせなども用意。

季節の生菓子や毎月変わる棹物などは店舗限定の商品なので、通販はできません。「村岡総本舗」代表の銘菓は全国の百貨店でも取り扱っているので、買い物に出かけた際に見つけることができるでしょう。

「村岡総本舗」の店舗情報

「村岡総本舗」の本店は、祇園川の流れる佐賀県小城市の川沿い。小城駅からは徒歩で20分ほど。もちろん駅や市街に近い小城中央店などもあるので、不便を感じることはありません。

歴史ある街道が通っていた街、シュガーロードの歴史を感じたいなら、「村岡総本舗」本店の横にある羊羹資料館をぜひ訪れてみてほしいです。

店舗情報
店名:村岡総本舗 本店
住所: 佐賀県小城市小城町861
営業時間:9:00~18:00
定休日:無休