【京都】「紫野源水」が生み出す、儚く繊細な飴細工

日本の魅力、それは、春、夏、秋、冬といった四季の変化を楽しめること。その季節の移り変わりをイメージした和菓子が並ぶのも、日本特有の楽しみであると言えます。
今回ご紹介するのは、京都にある「紫野源水」です。四季を感じる、美しさをこえた儚さえ感じる飴細工、有平糖が有名な和菓子店です。残念ながら、2018年3月をもち閉店されました。「紫野源水」から生まれた、その美しさ、そして、口に入れた時の、飴細工そのものの、繊細な溶け方。全てが美しく、それは、日本を誇る飴細工であると言えるでしょう。「紫野源水」が生み出した飴細工の数々、そして、代表銘菓、松の翠などの和菓子についても、ご紹介させて頂きます。

国宝級の美しさ、「紫野源水」の有平糖

有平糖とは、煮詰めた砂糖蜜に、さまざまな色味を着色して成形する、飴細工のこと。安土桃山時代に伝来された南蛮菓子で、名前の由来はポルトガル語の『アルフェロア』からきているそうです。市販の飴とは違い、その繊細なシルエットが、大きな魅力と言えます。
「紫野源水」の有平糖も、繊細かつ、美しい見た目が魅力。他にある有平糖の中でも、「紫野源水」のように美しい有平糖は、正直なところ、見たことがありません。まさに、職人が作り出す芸術品。簡単に真似できるものではありません。
「紫野源水」が生み出す有平糖のもうひとつの特徴、それは、詩季織々の季節限定、有平糖です。

例えが春に登場するのは、桜を連想させる有平糖。向こう側まで見えるほどに透き通った花びら部分には、うっすらとピンク色が着色され、花弁や、やくの部分は、黄色で彩られています。あまりにも繊細なその姿は、食べるのを躊躇するほどに、美しい。
「紫野源水」の桜。価格は1箱1,188円(税込)。桜の有平糖6個、葉の形をした有平糖2個がセットになっています。

桜その他、たんぽぽやすみれ、れんげ、つくしやわらびなども展開。

夏の訪れを待つ季節、ちょうちょの有平糖がお目見え。今にも、ひらひらと羽を揺らし、飛び立ちそうなその姿には、もはやどんな言葉すら似合わない。

秋には、紅葉をイメージした照り葉の有平糖が。赤、黄色、緑が、一枚の葉の中で美しくグラデーションする様は、食べず、そのまま飾っておきたくなるほど。

冬限定の有平糖はございませんが、一年を通し、「紫野源水」で四季を楽しむなんて、大変に、粋かと。

「紫野源水」の有平糖は、在庫に余裕があれば、ひとつからでも購入が可能だそうです。お好きなモチーフを選び、大切な方へプレゼントする、なんていうのも、素敵ですね。
「紫野源水」の有平糖は、どれも飴に見えないほどの美しさをまとっています。それはまるで、小さな頃、必死に集めたガラス細工を連想させます。

しゃりっと食感の一口羊羹、松の翠

「紫野源水」には、有平糖のほか、和菓子もお作りになっています。
「紫野源水」の代表銘菓である松の翠は、大粒丹波大納言小豆を上にあしらい、しゃりっとした食感の砂糖衣でコーティングされた、ひとくちサイズの羊羹です。
食べやすいサイズと品の良い甘さ。やがて、お店を代表する人気和菓子となり、長年、たくさんの人に愛されました。

ぷっくり幸せな、花びら餅

お正月に欠かせない、花びら餅。「紫野源水」が作る花びら餅は、ぷっくりとしたシルエットが特徴的です。それはまるで、赤ちゃんのほっぺのように、ぷくぷくっと幸せが詰まっているような。

秋限定和菓子、かぐや姫

秋といえば、紅葉の他、おいしい栗の和菓子も楽しめる季節ですよね。「紫野源水」には、そんな栗を使った限定和菓子が、この時期に発売されました。その名も、かぐや姫。
ネーミングが可愛らしいかぐや姫は、小豆こなしの中に、栗を丸ごと1粒詰めた和菓子です。こなし部分のもちもちっとした食感は、たまらなくクセになります。お値段は1個320円(税抜き)。
また、同時期に発売される、栗きんとんも、人気の和菓子でした。砂糖のみで甘みを整えた栗あんをそぼろ状にし、こしあんの周りに添えるといった、いたってシンプルなもの。だからこそ、素材そのものの味を楽しめるのです。

2018年、惜しまれつつ閉店

「紫野源水」の創業は、1984年。元々は、丸太町通りにある老舗和菓子店「京菓子司源水」の三男が本家から独立され、創業されたのが始まりでした。本家である「京菓子司源水」から受け継いだ和菓子作りをベースに、独自のオリジナルな発想も追求し続けた「紫野源水」。残念ながら、2018年3月末を最後に、惜しまれつつ、閉店されました。
閉店前には、通販サイトを通し、松の翠や有平糖など、人気商品の取り寄せもできたそうです。。
どのような形であれ、あの素晴らしい飴細工、そして、和菓子たちの復活、心から、願うばかりです。

なくなった後もずっと、愛され続ける、京都の名店です。

店舗情報
店名:紫野源水(2018年3月末 閉店)

住所:京都府京都市北区小山西大野町78-1

定休日:日、祝

営業時間:9:30〜18:30

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