シンプルにこそ、こだわる。進化するかりんとう|ゆしま花月

今回ご紹介するお店は、東京メトロ千代田線湯島駅から徒歩3分のところにある「ゆしま花月」。艶やかな、まるで宝石のようなかりんとうが人気のお店。

お話を伺ったのは、三代目の溝口智広さん。店舗を営むかたわら、商品パッケージのデザインも手がけている。

そんな溝口氏に、ゆしま花月のかりんとうのお話やお店ことについて語って頂いた。

昔からお店を継ぐことを考えていた

溝口氏は美術大学を卒業後、デザイン会社に勤務された経歴の持ち主。そこから家業を継ぐことになった経緯について聞いた。


「デザインに興味があって大学に進学しましたが、ずっと昔から、いつかは家業を継ぎたいと考えていました。」

お店を始めたのは、溝口氏のお祖母様。先代から継ぐようお願いされたわけでなく、溝口氏自身が決めて後を継いだという。学生時代は夏休みにお店を手伝われていたようで、ずっと昔から、ゆしま花月に愛着を持っていたことが伝わる。

ゆしま花月かりんとうの誕生秘話

ゆしま花月と言えばかりんとうが有名ですが、実は偶然の出来事によって誕生したのだとか。

「父が生まれてすぐに祖父が亡くなってしまい、その際たまたま居抜きの駄菓子屋があるとわかりました。そこで、祖母が子供相手の駄菓子屋としてスタートさせました。」

駄菓子屋からスタートしたゆしま花月、いつしかお店で売っていたかりんとうが評判を呼び、現在のようなかりんとう屋になった。

「最初、店に出していたかりんとうは普通のものでした。ある日、職人さんが煮詰め過ぎてしまった飴を捨てるのがもったいないとかりんとうに絡めてみたら、つやつやのきれいなかりんとうができたんです。」

これはきれい!とそこから商品化へ。しかし、なかなか同じものが出来ず、試行錯誤の末やっとでき上がったのが今のつやつやのかりんとう。

「この辺りには「おばけ横丁」という通りがあります。その昔すっぴんの芸者さんが置屋から化粧をして化けて出てくることからこの呼び名がついたと聞いています。昔は料亭などもたくさんあって、その手土産として遣われていました。今は一般の方はもちろん、企業にお勤めの方が手土産として購入されることも多いです。」

かりんとうへのこだわり

外はカリッ、中がサクッとした食感は、昔から変わらないこだわり製法で作られているから。国産のコメ油を使い丁寧に3度揚げすることで、あの独特な食感が生まれるのだという。

キラッと光る秘密は、上白糖を使っているからこそなのだとか。甘みやコクの強い上白糖を使うことで、シンプルで素朴なかりんとう本来の良さは活かしつつ、美味しさをぐっと底上げしてくれるのだという。

「かりんとうはとても素朴なお菓子なんです。だからこそ素材そのものや製法技術が重要になってきます」

懐かしさ滲む愛らしいデザイン

溝口氏が店主になられてから、パッケージのデザインにも変化が。昔の懐かしさはそのまま、今の世代にも手に取りやすいようにと溝口氏がリデザインされた。

「見た目も楽しんで頂けたらと思い、例えば丸缶は、ベースのデザインは変えず、ゆしま花月らしさがより引き立つようにしました。」

丸缶は、赤、黄色、むらさきの3色展開。その可愛らしさから、食べても捨てず、ペン立てや小物入れなどに使われる方もいるのだとか。夏は金魚、年末は来年の干支をイメージしたパッケージも登場。季節のパッケージが登場するたび、四季の変化を楽しめるのもまた風流があり良い。
また、ゆしま花月は新たな展開としてGINZA SIXに「ぎんざ鏡花水月」を出店。本店とはまた違う角度から商品展開をアプローチしている。パッケージも銀座の街に合わせてシックで高級感のあるものが揃っている。銀座の街の手土産の新定番として認知されてきている。

日本だけでなく海外の方にも知ってほしい

「以前は日曜休み、18時にはお店を閉めていましたが、現在は定休日なし、平日は夜の20時まで開いています。仕事帰りに寄って下さる方や、近頃は遠方からわざわざ足を運んで下さる方も多くいらっしゃいます。そういった方のためにも来て頂きやすいよう、お店でお待ちしております。」

海外へ持って行きたい手土産としても高い評価を得ているようで、出張へ行く際にゆしま花月のかりんとうを選ぶ方も多い。しかし、海外の方が購入されるケースはまだ少ないようで「海外の方にも選んで頂けるようなパッケージデザインや、かりんとう自体にも変化を加えたい」と話す。

守るべきもの、挑戦する姿勢

「ゆしま花月の歴史を大切に守り続けることこそ、私の使命だと考えています。それと同時に、もっとたくさんの人に、ゆしま花月のかりんとうを知っていただき、末永く愛して頂きたい。そのためにも、挑戦する気持ちは忘れず持っていたいですね。変わらないものと変えていくもの、その両方のバランスをきちんと見極めて行きたいです。」

ゆしま花月のかりんとうは、ひとつひとつ人の手により、大切に作られている。お店で一緒に働くスタッフさんたちのことを「まるで家族のような存在」だと溝口氏は話してくれた。そんな愛で満ち溢れた場所で、ゆしま花月のかりんとうは作られている。愛される理由は、ここにあった。

[box title=”お店情報” box_color=”#c30d23″]店名:かりんとう ゆしま花月

住所:東京都文京区湯島3-39-6

営業時間:
月曜〜金曜 9:30〜20:00
土・日・祝 10:00〜17:00

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カリッ、サクッの食感楽しい!ツヤっと光るゆしま花月のかりんとうの秘密

日本人が慣れ親しんできた昔ながらのお菓子、かりんとう。外はカリッ、中はサクッとした食感、そして素朴な味わいが年代を問わずずっと愛されている。

今回ご紹介するのは、そんなかりんとうのお店「ゆしま花月」。
昭和20年頃、花街として栄えた東京湯島に、子供相手の駄菓子屋を開いたことが始まり。販売していたかりんとうが人気となり、現在はかりんとうのお店として評判を得ている。

ゆしま花月のかりんとうは、ちょっと他とは違う。豊かな食感はもちろん、ツヤっとした美しい見た目が何よりも魅力。そんなかりんとうはどのように誕生し、作られているのか。三代目店主の溝口智広さんに話を伺った。

ゆしま花月代表銘菓「かりんとう」


まずご紹介するのは、ゆしま花月の代表銘菓かりんとう。表面に上白糖を煮詰めた飴をコーティングすることでこのツヤっと感が生まれるのだそう。絡める上白糖は、煮詰める時間や温度によってその仕上がりにかなりの差が出てしまう。今の完成形に到るまでに、いくつもの試行錯誤を重ね、やっとこの美しさにたどり着いたのだと、三代目店主の溝口氏は教えてくれた。

サクッとした食感を出すべく、徹底した温度管理の元、かりんとうを三度揚げする。この時の温度は常に一定を保つことでこの食感が生まれるのだそう。かりんとうの生地の目のこまかさを「まるでフランスパンのようだ」と例えるお客様も。他にはない食感と味わいを体験できる一品。

人気は「かりんとう 丸小缶(1,850円 税抜)」。

中には90g入りのかりんとうが2袋入っている。缶の色はこの赤の他に黄色や紫もあり。懐かしさただよう見た目は、食べたあとも捨てずに置いておきたくなる。

ギフト用ならこんな可愛いラッピングタイプがおすすめ。


「かりんとう 大入袋(1,000円 税抜)」はたっぷりと220gもかりんとうが入っている。開閉口はジップタイプだから保存も楽。家族みんなで楽しむにはぴったり。

老若男女に愛される「さざれ」


かりんとうの次に人気のさざれは、柔らかな食感とひとくちサイズの食べやすさが魅力とあって、お子様からお年寄りまで幅広い方から愛されている。国産こめ粉100%で作られ、外にはかりんとうと同じく上白糖がコーティングされている。

昭和天皇の在位50周年の年に作られたことから、君が代の一節より”さざれ”とつけられたのだとか。お茶菓子としてはもちろん、ギフトにもおすすめ。

香ばしさ引き立つ「あげせん」


醤油とみりんで味付けされたあげせんは、昔懐かしのおせんべい。塩っけの少ない醤油を使用し、そこにたっぷりのお砂糖を溶かし込み、カドのないまろやかな味へと仕上げている。

塩と梅の絶妙コントラスト「かさねうめ」


塩味のあられと、程よくピンクに染まった梅味のあられの2種類を混ぜ合わせた、かさねうめ。こちらは湯島天神にある「思いのまま」という木に咲く、紅白のお花からイメージして作られたお菓子なのだそう。おめでたいシーンのギフトにぴったり。

しっかり食感の「いわおと」


米の甘みとコクのある醤油を合せ、食べるとついつい手が止まらなくなってしまう。しっかりとした食感が特徴で、噛めば噛むほど米の旨味をしっかり味わえる。丁寧に天日干しを繰り返すこと5日間、中の水分が蒸発し、噛みごたえのある食感が生まれるのだそう。

ぜひ一度、ゆしま花月の味と食感に出会ってほしい。

[box title=”お店情報” box_color=”#c30d23″]店名:かりんとう ゆしま花月

住所:東京都文京区湯島3-39-6

営業時間:
月曜〜金曜 9:30〜20:00
土・日・祝 10:00〜17:00

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