子どもから大人まで、みんなが喜ぶお菓子のある場所

目黒の住宅街にひっそりと佇むショコラティエ タカ。ここのお目当ては、口どけの良いボンボンショコラ。ショコラの甘い香りとともになめらかで繊細な口溶けは幸福感を満たしてくれる。
店内をぐるりと見わたすと、艶っぽくおいしそうな生菓子やシンプルな焼き菓子もずらり。「どれにしようか」と、嬉しくも悩ましい誘惑にかられてしまう。

今回は、ショコラティエ タカのスイーツの魅力を、オーナーシェフ矢島 清高氏にお聞きしながら、美味しさの秘密を探ってみた。

Contents

しっかり濃厚なチョコレートケーキ『ショコラカフェ』

「食べたときに何を食べているのかすぐにわかるシンプルなチョコレートケーキ」。
ショコラカフェについて聞いてみたとき、矢島氏が一番最初に言った言葉通り、しっかりと濃厚なチョコレートの味わいと風味を楽しめるショコラカフェ。

クルミの入った生地となめらかなコーヒークリームにビターなチョコレートの三位一体。あまり聞き慣れない「トンカ豆」という甘い香りの香辛料が入りほんのりアクセントを効かせてもいる。濃厚な味はそのままに、食べやすさも追求されている。チョコレートケーキを食べた時にありがちな「重たさ」を感じないことにも驚いた。あっという間にぺろりと気づけば完食してしまう、程よい軽さはおそらくショコラティエ タカならではのなめらかな口溶けがなせる技。

「口溶けのなめらかさにはとことんこだわって何度も試作を繰り返しました。ショコラティエ タカはテイクアウトのみなので、持ち帰って食べるときにベストな状態になるよう何度も調整しました。あまり柔らかくし過ぎてしまうと持ち帰りの途中に崩れてしまうので、試作したものは必ず自分で1時間半ほどかけて実際に持ち帰ってみて、崩れないか何度もチェックしながらやっとたどり着いたのが、このショコラカフェです」

なんと言ってもチョコレートの滑らかな口溶け感は、なかなか他店では出会えない程の絶品だ。。パリッとしたチョコレートの板がケーキの中に隠され、滑らかな食感の中にいいアクセントを加えていき、気づいたらなくなってしまっているほど。
程よい甘さは毎日食べたくなる。ショコラティエ タカのショコラカフェはチョコレートケーキが大好きな方にも、苦手な方にも幅広くおすすめできる。

2種類のチョコを使った『焼きチョコシュー』

オーソドックスなシュー生地に「ホワイトチョコレート」と「ミルクチョコレート」の2種類を塗って再びオーブンで焼き上げて作られる焼きチョコシュー。誕生のきっかけは、矢島氏が昔勤めていたホテルのレストラン時代の記憶にさかのぼる。

「東京マリオットホテルでパティシエをしていた頃、アイスランドのシェフとコラボして『焼きチョコ』を作ったことがあったのですが、食感がとてもユニークで今も記憶に残っているほど。ふと思い出し『シュークリーム生地にチョコレートを塗ってみたらどうだろう?』と思い立って誕生したのが焼きチョコシューでした」

焼き色のついたチョコレートのシュー生地は、しっとりしながらも程よいさくさく感がちょうど良い。中にはしっとりとしたカスタードと生クリームが挟まり、一緒に食べると食感のコントラストがとっても魅力的で楽しい。優しい甘さは年代を超えて多くのファンを持ち一度に大量買する方までいるそうだ。

見た目の数倍、中は複雑『カカオベリー』

「チョコレートのお店だからカカオの形のケーキがあっても良いかな」こんな矢島氏の素直な想いから生まれたのが、カカオベリー。

見た目はまさにカカオそのもの!大きさは普通のケーキの約1.5倍とちょっと大きめサイズながら、これまた驚くほど食べやすい。一人ではもちろん誰かとシェアするのも良いかもしれない。

まるでカカオのような形のケーキは、滑らかなチョコレートに包まれ最初の食感で驚きを与えてくれる。
中はチョコレートとブラックベリーの2つのムース。ブラックベリーの程よい酸味がチョコレートの風味やコクをより一層引き立てて、さっぱりとした口当たりに仕上がっている。ブラックベリーは思ったほど酸味は強くなく少なく、外のビターなチョコレートと中のミルクチョコレートとの調和が絶妙なハーモニーを作り上げてくれている。
更にアールグレイのガナッシュも加わり、シンプルな見た目からは想像のつかない豊かな味わいを楽しめる。何度も口に運んでは味のハーモニーをじっくりと楽しみたくなる、そんな一品だ。
大き目のサイズででありながらも、ペロリと食べて切れてしまう、その上もっと食べたくなる不思議なケーキであった。

一粒で幸せになれる『ボンボンショコラ』

ショコラティエ タカを語るうえでボンボンショコラは絶対に外せないだろう。
店内に並ぶ宝石のようなショコラは胸をときめかせ、どれにしようかと選んでいるときからすでに高揚感で満たされてしまう。

「お客さまが見たときに美しいと思っていただけるように、見た目には特にこだわっています。あと、口に入れたときの滑らかさもとことん追求しました。単に柔らかくするだけなら誰にでも簡単にできますが、ショコラティエ タカのボンボンショコラは、時間が経過するごとに美味しくなっていくよう計算されて作られているんです」

口のなかで溶けるなめらかさはもはや異次元。「日持ち2週間」と長めなところも嬉しいポイント。自分用だけでなくギフト、手土産にもおすすめだ。

飲み物とのおすすめのペアリングを矢島氏に尋ねてみたところ、「コーヒーや紅茶はもちろんウィスキーやラムなどお酒とも相性抜群です」。お値段は一粒330円と決して安くはないが、見た目の美しさ、舌の上でほどけていく心地よさは疲れた身体や心をほぐし癒してくれて幸せな気持ちになる、そう思うと一粒330円は安いものだ。。たった一粒で幸せを叶えるボンボンショコラ、ぜひ一度ご賞味あれ。

チョコで楽しむ“大人の嗜み”『カクテル』

「お酒の入ったチョコレート」と、あなどるなかれ。勢い良く食べてしまうとしっかり酔っ払うカクテルは、その名の通りお酒のカクテルの入ったチョコレート。カクテルを作るときと同じようにリキュールを一つひとつ計りながら作られているこだわりに惹かれる。

カクテルグラスをイメージするすっきりと洗練されたルックスと中のガナッシュ。世界のトップバーテンダー山田高史氏との共同開発によって誕生した、世界でもショコラティエ タカでしか出会えないスペシャルなショコラ。

山田氏が世界、アジア、日本とそれぞれの大会で優勝したときの3種類のカクテルと、クラシックなカクテルレシピ『サイドカー』『グラスホッパー』の2つが入った計5種類が一つにパッケージされている。
ブランデーをベースにオレンジを効かせたサイドカー。トロピカルな味のグレートサンライズは世界大会で優勝した作品だ。この他、チョコレートとミントを合わせたグラスホッパーは女性でも楽しめるクリアな口当たりが魅力。

実はこのカクテル、味を決める前に見た目を先に決めて作ったのだそう。見ただけですぐにカクテルグラスを連想できるよう、何種類も形のサンプルを試作し、やっとのことで今の形が完成したのだとか。お酒好きな方へプレゼントすれば確実に喜ばれること間違いなし。

「自分のため」がやがて「誰かのため」になり、今ではたくさんの人たちのためにお菓子を作り続けている矢島氏。豊かを秘めた味わいは、ほっとひと息つけるひとときをより一層輝かせるクラシックな幸せを運んでくれるに違いない。

店舗情報
店名:ショコラティエ タカ

住所:東京都目黒区青葉台1-16-6 クリスタルメゾン 1F

営業時間:12:00~19:00

定休日:水曜

公式サイト:https://chocolatier-taka.com/

kanmi
3時のおやつはかかせない、甘党フリーライター。好物はクラブハリエのバームクーヘン。毎日がほんのりとあたたかくなるような文書をお届けします。