息子と一緒に、
3色のチョコレートムース「トロワ」を作った。


お菓子作りは、
材料をきちんと計ることと、
温度管理が大切なポイントになる。
そんなわたしにとって
パパが買ってきてくれた赤外線温度計は、
お菓子作りでの“良き相棒”みたいな存在だ。

初めて見る赤外線温度計に
息子は興味津々、触れている。
けれどしばらくして飽きたのか、
ポンっと赤外線温度計を
ソファの上へ、投げた。

ふと、毎朝のわたしが
息子のその姿に重なる。

新聞をソファに投げる、わたしの姿。

「子どもは、親のことをよく見ている」
という言葉がふと浮かぶ。
胸のあたりがチクリと、小さくうずく。

するとパパが、
「温度計を置くときはね、
ゆっくりやさしく置くといいよ」
そう言って、息子に見本を見せる。

息子は温度計をふたたび手に取って、
今度はやさしく、ソファの上に置いた。

心がじんわりと
奥の方からあたたまる。

日々の忙しいわたしの姿を、
いつのまにか息子は見ていたんだ。
大切にしなくちゃいけない何かを、
わたしはすっかり
見落としてしまっていたんだ。

わたしのなかで、何かが溶けてく。

ムースが固まるのを待つあいだ、
使った道具を洗って、拭いて、
もとにあった場所へと戻す。
一つひとつ、丁寧に。
「ありがとう」と、気持ちを込めて。

すっきりと片付いたキッチンで
お茶を煎れ、みんなでトロワを味わう。

ホワイト、ダーク、ミルク。
異なる3つのチョコレートムースを重ねて作るトロワは、
味のグラデーションがとっても楽しい。

気付いたらあっというまに完食。
「まだ食べたいな」という息子に
パパとわたしは、おもわず微笑んだ。

人に感謝を伝えるときのように、
使う道具にも「ありがとう」って
ちゃんと伝えなくちゃ。

わたしたちの姿を見て、
息子は育つんだもの。

なんだか今日は、
美味しいお菓子を食べられたし、
大切なことにも気づけたし、
とってもいい一日だったな。

やさしい休日。ありがとう。

夫のスイーツチョイスとお茶の用意

ホワイト、ダーク、ミルクの3種類のチョコレートムースを重ねた
「トロワ~3色のチョコレートムース~」は、
異なるショコラの風味をグラデーションのように味わうことができる。

ムース特有のなめらかな舌触りと優しい甘さにうっとり癒され、
ティータイムにほっと優しい時間を運んでくれる。

夫のスイーツメモ

お菓子教室の先生が教える「トロワ~3色のチョコレートムース~」

東京都北区にあるお菓子教室「シュクルエピス」。
そこで講師をつとめる手塚 郁実(てづか ゆみ)先生は、
国内のレストランやパティスリーで経験を積んだのち、24歳で渡仏。

フランス菓子の本場で1年間の修行を終えて、
帰国後は、国内の有名パティスリーにてチーフパティエールとして勤務。
確かな実力と独自の発想力を生かし、ランチ開発にも携わった経験をお持ちだ。

「美味しいプロの味をご家庭でも楽しめるように」
そんな想いのもと、シュクルエピスでは
楽しくて美味しい本格的なお菓子作りを学ぶことができる。

よく合うお茶「オレンジのフルーツティー」

まろやかな甘さのチョコレートムースのお菓子、トロワ。
おすすめしたいペアリングは、オレンジのフルーツティー。
爽やかなオレンジの香りとフレッシュな甘みが
チョコレートムースの優しい甘さを引き立てる。

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