毎日変わるジェラートを通じて、「家族」であるお客様を笑顔にして行く。自由が丘 ジェラート専門店 Ami Cono(アミコーノ)の想い

 

夏の季節。とても暑い日には冷たいものを食べたいもの。日本では、かき氷にアイス、そしてイタリアではジェラートを住民は食べ親しんでいる。お菓子の街 自由が丘、フランスを感じさせるマリ・クレール通り。そこを過ぎ、小さな丘の方面に向かっていくと小さなジェラート屋が見えてくる。

 

 

通りすがり看板を興味持っている人を迎え入れやすくするために作られた小窓。気さくに話かけやすく、誰にでも愛される、そんなイタリアを感じさせる店構えはオーナーのこだわりを感じさせる。

 

 

今回は自由が丘 ジェラート専門店”Ami Cono(アミコーノ)”を特集する。

 

 

”暖かな家”を感じる店内にこだわりを感じるジェラート

店舗に入ると暖かな電球の光に包まれて、”家”に帰って来たかのような暖かい雰囲気に包まれる。

 

 

選ぶのに困るほど豊富なジェラート。ジェラートはシングル、ダブルがあるが、2つと言わず全部の味見をしたいと思ってしまうほど。

 

 

ジェラートを注文すると、珍しくコーンをその場で焼いてくれ、お店の中に香ばしい匂いが広がっていく。本当に美味しいジェラートに合うコーンは自分のお店でしか作れない、それだけのこだわりを感じる一瞬である。

 

 

ジェラートをカップにダブルをのせて、熱々のコーンを上からのせて完成。
Ami Cono(アミコーノ)のこだわりの看板商品”ジェラコーノ”。

 

 

自由が丘 ジェラート専門店 Ami Cono(アミコーノ)

「学生の時から、コーヒーが好きで自分のカフェを持ちたいと思っていました。老若男女問わず親しまれるお店を持ちたいと思っていました。」そう語る アミコーノ オーナー井上氏。カフェ開業のためバリスタの資格まで取得。行動力溢れる女性だが、コーヒーが美味しいだけのカフェでは毎年多くのお店が開業する飲食店では経営的に厳しいのではないかと考えていた。

 

 

「コーヒー以外のもの。そう思っていた時に、出会ったのがジェラートでした。ジェラートやアイスを嫌いな人はほとんどいないですし、自分が思っていた老若男女問わず誰でも親しまれるお店を作れるんじゃないか、そう思いイタリアに修行にいくことにしました。」

 

 

イタリアでは、ジェラートのチェーン店でも修行することはできたそう。しかし、自分の修行の場として選んだのはイタリアで個人でやっているジェラート店 “アンティカ・ジェラテリア・フィオレンティーナ”。ジェラートでありながら、粘り気があるほど練られていて、濃厚でありながら後味がスッキリしている。このジェラートに惚れ込んで選択した。

「イタリアは、栄えている街が点々としていて、それぞれの街に市場があります。修行中楽しかったのが、毎日の買い出し。市場に行って旬のフルーツを探しに行く。その時、師匠が何を作りたいか?っと質問するのです。そこで旬のフルーツを選ぶと本当にジェラートの味としてブレンドする。その日その時、一番美味しいフルーツを使ってその味のジェラートを作れることで旬や季節を表現できることはとても面白いと感じました。」

 

 

「日本では、毎日いちごやバナナがスーパーに並んでいます。でも、本当はいちごやバナナは食べられる季節は限られているはず。でも、栽培方法が発展したことで旬とか関係なく年を通して食べられるようになりました。それはそれで生活が豊かになったことなのですが、イタリアの修行中感じたことは”旬や季節を表現できることの価値”でした。その日、その時、一番美味しいフルーツを食べられる事の幸せは何事にも変えられません。」

 

 

お客様は「家族」 老若男女・趣向問わず皆に愛されるお店

イタリアから帰国し、数年後自由が丘で開業。ジェラートを取り扱うカフェの名前は「Ami Cono(アミコーノ)」と名付けられた。「アミコ」はイタリア語で友達を意味し、「コーノ」はジェラートのコーンのことを意味する。

「誰にでも老若男女問わず、親しまれる”家族”みたいなお店を作りたいという想いからこの名前にしました。」

 

 

お店で大切にしていることは”お客様は「家族」”だということ。老若男女・ビーガンなどの趣向を問わずに愛されることを大切にしているのだという。

「このお店の内装から何まで友達に手伝ってもらいました。自分は知り合いや友人に助けられてここまで来れた。だからこそ、お客様もお客様として扱うというよりも「家族」として接しています。」

 

 

Ami Cono(アミコーノ)のジェラートは保存料や添加物を一切使用していない”カラダに負担の少ないジェラート”である。

「イタリアに帰ってからお店を開くまでの数年、店舗運営の経験のためマクロビオティックのお店で働いていました。マクロビオティックは添加物や肉中心の食生活から、自然食や野菜中心の生活にするためのオーガニック料理を提供していました。オーガニック食材を取り扱っているカフェでした。オーガニックのカフェに働くまでは気づかなかったのですが、お客様と接する中で、アレルギーやビーガンで卵や小麦粉が食べられない人がたくさんいることを知りました。例えば、乳アレルギーの子供はアイスが食べられない。その時、自分がやるお店では、そういったアレルギーやビーガンの人でも食べられ、皆に愛されるお店を作れるんじゃないかと思いました。」

 

 

Ami Cono(アミコーノ)では、保存料、着色料、添加物を一切使用せず、コーンも通常のものと米粉で作られたビーガン対応のものの2種類がある。

Ami Cono(アミコーノ)の店名でも使われているコーン。ジェラートだけではなくコーンについても並々ならぬこだわりを持っている。日本ではコーンをちゃんと食べる人が多いものの、イタリア人はコーンを捨てる事が多い。コーンが湿気っていて日本ほど美味しくない事や、アイスがなくなったなどの理由だ。

 

 

「”捨てる”という事は、最後に食べた1口が美味しくなかったから捨てているのだと考えています。これは好みにもよるかもしれないですが、最後の一口が美味しくないと、お客様が満足しているとは言えない。捨てられず、最後までコーンとジェラートを味わってもらいたい。その想いから、ジェラートに限らずコーンにもこだわる。」

Ami Cono(アミコーノ)のコーンが直前に焼く理由は、そういったこだわりがあるからだ。また、通常のジェラートとは異なりコーンがジェラートの上に置かれている。このスタイルはAmi Cono(アミコーノ)オリジナルのスタイル。このスタイルの理由もコーンを捨てずに食べて欲しいという想いが込められているという。

 

 

開業までの経験や想いから、Ami Cono(アミコーノ)のロゴは作られた。ロゴは、コーンの上に3つのジェラートが乗ったもの。3つのジェラートには一つ一つ想いがある。

●Producer:生産者がわかる安心・安全な原材料
●Natural:化学調味料 不使用
●Super food:*スーパーフード
*栄養バランスに優れ、一般的な食品より栄養価が高い食品であること。

 

 

毎日変わるAmi Cono(アミコーノ)のジェラート

「初めて来られるお客様におすすめは何かと質問されます。けど、Ami Cono(アミコーノ)のジェラートの種類は毎日変わっているのでおすすめが毎日変わる。なので、できたてのジェラートを毎回おすすめさせていただいているのです。」

 

 

イタリアで修行時代のスタンスは変わらず、日本の自分のお店でも毎日旬のフルーツを探す井上氏。季節の変化に合わせて、その時旬のフルーツでジェラートを作るこだわりは、一般のチェーン店では真似ができない。

「毎日、その日に提供するジェラートを作ります。作ったジェラートは日を跨ぐようなことはありません。」

ジェラートに使うフルーツもこだわり抜いている。映画「奇跡のリンゴ」で有名な、農薬を使わないリンゴを使用したジェラートや山梨の絶品の桃を聞きつけその桃をわざわざ取り寄せてジェラートを作る。素材も無農薬を基本としこだわり抜く姿勢もまさに職人である。

 

 

濃厚な落花生や風味がしっかりと活きたチェリー味など、本来のフルーツの味を想いだすほど風味が活かされている。まさに、ジェラートを食べた時に気づく”旬”の味。

 

 

シンプルなジェラート以外にもこだわり抜かれたメニュー

Ami Cono(アミコーノ)のメニューを見ると、一風変わったメニューだと気づく。

 

 

自家製の有機のオートミールで作ったグラノーラ。

 

 

自由が丘のパン屋で特別に作ってもらっているブリオッシュでジェラートを挟んだジェラバーガー。

 

 

井上氏が毎日作っているオーガニッククッキーで挟んだジェラクッキー。

 

 

「店頭では、コーンを目の前で焼いてもらえるジェラコーノのコーンの香ばしい匂いに誘われて、ジェラコーノを注文しがちな傾向にありますが、他の商品も相当のこだわりを持って提供しています。」

 

 

15年の想いようやく叶った ジェラート専門店

「学生の頃から15年色々なこともありましたが、ようやく自分の考えていたお店を開業することができました。」

夢を夢で終わらせる人が多い世の中。その中で強い想いを持ち自分の夢を着実に実現させていった井上氏。

「まだ、開業したばかりで毎日やるべきことに追われています。けれど、自分が夢にまで見たお店。とにかく1年間がむしゃらにやってみようと思っています。」

開店してまだ半年程度しか立っていないAmi Cono(アミコーノ)だが、そのこだわりやお店のコンセプトに惹かれて多くの常連のお客様がいる。

毎日変わるジェラートを通じて、「家族」であるお客様の笑顔にして行く。
自由が丘には、現代の日本が忘れたものを思い出させてくれるジェラート屋がある。

 

 

自由が丘ジェラート専門店 Ami Cono(アミコーノ)住所

 

お店情報
店名:Ami Cono (アミコーノ)

住所:東京都世田谷区奥沢5-27-9

定休日:火曜日

営業時間: 11:00〜19:00

本山智男
株式会社SweetsVillage 創業者。 3度の飯よりスイーツが好き。お菓子屋さんの取材を50件以上実施。様々なスイーツの企画にも携わり、スイーツの商品開発などにも携わる。

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です