ドイツというとビールやソーセージ、ベンツのイメージが強いと思われるが、ドイツにはマイスター制度があり職人大国として認識されている方も多いのではないだろうか。
実際に現在も技術立国であり、経済成長を今もなお続けている先進国の一つである。
そんなドイツでは長らく徒弟制度が続く。マイスターは、現在も手工業などの分野にある資格だ。マイスターは、工芸の最高資格で国家資格とされており、今回ご紹介させていただく”ドイツ菓子工房Muttis Kuchen(ムッティスクーヘン)”の店主本郷氏もドイツでの厳しい修行に耐えマイスターを取得している。
ドイツ菓子職人である本郷氏が店主を務める”ドイツ菓子工房Muttis Kuchen(ムッティスクーヘン)”は、下北沢と三軒茶屋を結んだ茶沢通り沿いに店舗を構えている。
ムッティスクーヘンとは、ドイツ語で「お母さんのケーキ(ムッティス=お母さんの、クーヘン=ケーキ)」という意味。
実際に子育てを行いながらドイツ菓子の魅力を伝えるべくお菓子作りを粛々と続けてこられた本郷氏らしいお店の名前である。
Muttis Kuchen(ムッティスクーヘン)を作り上げた本郷氏のお菓子作りへの情熱
本郷氏は、子供の頃からお菓子作りが大好きでお母さんの料理本やご近所のおばさんからお菓子作りを教えてもらっていたという。
「当時は、お菓子を食べるのもとても好きだったことから”どうやったら作れるかな?”と考えたりしていた。」本郷氏は語る。
学生時代もお菓子作りを続け、洋菓子を食べる機会が多かったり、父親がヨーロッパ出張のお土産で買ってきてくれるヨーロッパの置物などに囲まれて育った影響からか「本場の西洋菓子を見てみたい」「ヨーロッパに行ってみたい」と思われるようになったという。
そこで短大を卒業後、渡航資金を貯めるために就職し、3年後に念願のヨーロッパ修行へ旅立つことを決意した。
実は本郷氏は渡航資金をためるための就職先は、あえて食品関係ではなく違う業界を選択された。そこで、「お菓子作りの道だけではなく他の選択肢も検討してみよう」と考てみたという。
「それでも、お菓子作りへの思いが捨てきれずにヨーロッパ修行を選択した。」ここでも本郷氏のお菓子作りへの情熱が垣間見れる。
ドイツ菓子に魅せられた本郷氏が選んだお店を作るという選択
「最初にドイツへ渡航した際は、お菓子作りのためでしたが、最初は語学留学で行きました。」
語学学校を修了した本郷氏は、まず、見習として働ける場所を探し、ヘーマーという小さな町の工房で雇ってもらえることになった。
「そこにいたのは2年半ですが、季節ごとのお菓子や、いろいろな素材を使ったお菓子などを作っているうちに、ドイツ菓子の魅力に惹かれていきました。」
ドイツ菓子については、「見た目はぱっとしないけれど、質実剛健」と語る本郷氏。
「西洋菓子の中でもフランス菓子やといったお菓子は、キラキラとしたゴージャスな見た目が特徴だが、ドイツ菓子は見た目はシンプルなお菓子である。」
「ただ、デコレーションはシンプルだけれども食べるとひと工夫もふた工夫もあって、実は見た目以上に手が込んでおり、味もしっかりしていておいしいのがドイツ菓子の魅力です」
たとえば、こちらのバウムトルテ。
とてもシンプルな見た目のバウムトルテ。しかし、食べた瞬間に”シンプル”なケーキではないことがわかるであろう。バウムトルテは生地自体にしっかりとした味がついている。さらにドイツで利用されている香辛料も入れて作られており、香りもとてもいい。
また、日本で良く流通しているバームクーヘンとは異なり、生地がしまっている。
焼きたてはふわふわとした見た目だが、時間を置くことで生地をぎゅっとしめ旨味を閉じ込めている。
お母さんのケーキ、「Muttis Kuchen(ムッティスクーヘン)」の魅力とは
下北沢と三軒茶屋を結んだ茶沢通り沿いにある「Muttis Kuchen(ムッティスクーヘン)」。
「Muttis Kuchen(ムッティスクーヘン)」とは、おかあさんのケーキ、という意味の通り、本郷氏も出産を経て育児をこなしながらこちらのお店を切り盛りしている。
出産してからも育児と並行してお菓子作りを続けていたところ、ドイツフェスティバルに呼ばれることが多くなったそう。
イベントに出店されている中で、お菓子を食べてもらうお客さんに「お店はどこにありますか?」「どこに行けば買えますか?」と聞かれることが増えてきたという。
最初は店舗を持たずにお菓子作りをしていたが、ご自宅の一部を改修して小さな店舗スペースを設けて始めたのがMuttis Kuchen(ムッティスクーヘン)だ。
Muttis Kuchen(ムッティスクーヘン)、お母さんのケーキという名前の通り、店内は温かみのある家庭的な作りである。
テラスの一部を改修しているため、開放的でありながらどこか安心できるような作りだ。その場で購入したMuttis Kuchen(ムッティスクーヘン)のケーキは、テラスで食べることができるよう机とイスも配置されておりとても気持ちの良い空間。
お店の入口
ドイツから仕入れたアンティークオーブン。
陳列棚として利用しているそう。
その日販売されるメニューもお洒落に飾られている
ドイツ菓子を学べるMuttis Kuchen(ムッティスクーヘン)のお菓子教室
ドイツの魅了を広めたい、という想いからMuttis Kuchen(ムッティスクーヘン)をはじめた本郷氏であるがそれはお菓子作りだけでなく、夏だけお菓子教室を開催し実際に作ってもらうことでドイツの魅了を伝える活動も行っている。
料理教室の様子はMuttis Kuchen(ムッティスクーヘン)のfacebookでもアップされている。
![image9-min](https://sweetsvillage.com/muttis-kuchen/wp-content/uploads/sites/16/2018/09/image9-min.jpg)
ドイツ語でお母さんのケーキという意味であるMuttis Kuchen(ムッティスクーヘン)の名前の通り、本郷氏は自身で子育てをしながらMuttis Kuchen(ムッティスクーヘン)を運営している。そんな”お母さん”から教わることのできる本場ドイツのケーキのレシピは、家庭の味とプロの味のどちらも学べる貴重な機会である。
家庭の味とプロの味の融合、Muttis Kuchen(ムッティスクーヘン)の今後
今後の夢は、お店をもっと改装してよりおしゃれに、そしてたくさんのお菓子をもっと作りたいと語ってくれた本郷氏。
本場ドイツ菓子の魅力を家庭の味とプロの味の両側面を楽しませてくれるケーキは、現在商品棚に並べている種類よりももっと豊富にあり、できるだけたくさんの商品を届けたいという。本郷氏のお菓子作りに対する情熱で溢れている今後の展望である。
Muttis Kuchen(ムッティスクーヘン)は、三軒茶屋と下北沢の間に位置している。周辺には雑貨屋や多国籍料理やなどもあり、休日の散歩ルートとして最適な場所に位置している。
また、ドイツの味を忠実に再現しているMuttis Kuchen(ムッティスクーヘン)のケーキは、ドイツに縁のある方だけでなくドイツ菓子に興味がある方にも非常にオススメできるケーキである。
さらに、Muttis Kuchen(ムッティスクーヘン)ではオーダーケーキも作られているそうなので誕生日や記念日にドイツマイスターの作る本場ドイツケーキを注文してみるのも特別感がありオススメである。
ムッティスクーヘンの店舗情報
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店名:Muttis Kuchen(ムッティスクーヘン)
住所:東京都 世田谷区 太子堂 5-29-17
営業時間: 10:00~18:00
定休日:月曜・火曜(その他臨時休業あり、要確認)[/box]
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