薫風創業のきっかけ  どら焼き 岩城島のレモンコンフィ入り

 谷根千として有名な地域の一つである千駄木駅。駅周辺は可愛らしいお店が立ち並び、ちょっとしたお散歩にも最適の街だ。そんな千駄木駅から歩いて5分ほどのところに今回ご紹介する「薫風(くんぷう)」はある。

 薫風は明るく優しい人柄の店長のつくだ氏一人で営んでいる。店内にはイートインスペースもあり、お散歩の休憩にもちょうどよい雰囲気だ。

 今回はそんな薫風の創業のきっかけとなった「どら焼き 岩城島のレモンコンフィ入り」についてご紹介する。

岩城島のレモンとの出会い

 元々は製薬メーカーで分析の仕事に携わっていたつくだ氏だが、健康を食べる物から考えたいと思い、飲食業界に転身をした。

 その後、フレンチ・イタリアン・デリ・割烹など、 ジャンルにとらわれず飲食の世界で腕を磨いた。しかし、食材のルーツからお客様に伝えたいという思いから、「和菓子」のみに絞った。現在は生産者の想いなどを伝える代弁者として、現地に足を運び、土壌や生産工程の確認なども行っている。

 そんなつくだ氏が岩城島のレモンと出会ったのは、青山ファーマーズマーケットだった。つくだ氏は知り合いのブースを手伝っていたのだが、その隣に出店したのが岩城島のレモンの生産者だった。

生産者からの依頼から生まれた「どら焼き 岩城島のレモンコンフィ入り」

 つくだ氏には和菓子を通して、日本の四季を感じてほしいという思いがある。食材は季節によって収穫時期や完熟度が変わるため、薫風では季節に合わせて和菓子に使う材料を変えているのだ。

レモンなどの柑橘類は冬季が収穫時期で夏季に需要があっても提供できない。

 その課題を解消しようと思った岩城島のレモン生産者の方が、当時製品開発のコンサルティングをしていたつくだ氏に、何かこのレモンを広める方法はないか、と相談をしてきた。
 このことがきっかけで、「どら焼き 岩城島のレモンコンフィ入り」の開発が始まったのだ。

おにぎり屋さんの手土産としての「どら焼き 岩城島のレモンコンフィ入り」

 千駄木駅の近くに、土日は行列もできるような人気店のおにぎり屋さん「利さく」がある。大きな病院の多い土地柄、食事と共に病院のお見舞い品として洋菓子を販売していたが病気の方にも安心して召し上がっていただけるお菓子はないかと探していた時に、知り合いだったつくだ氏に相談をしたタイミングと、つくだ氏が岩城島のレモンの生産者と知り合ったタイミングが合い、利さくの手土産として「どら焼き 岩城島のレモンコンフィ入り」の販売が始まったのだ。

噂が広がり、店舗オープンへ

 もともとは利さくの手土産として作られていた「どら焼き 岩城島のレモンコンフィ入り」だが、材料や季節感を大切にしたいというつくだ氏の想いに共感した飲食店やデパートから、つくだ氏の和菓子を自分のお店でも出したいとオファーが来るようなった。
 これまでは利さくのためだけに作っていたのだが、オファーが増えたことにより、2012年5月に創業、同7月に多くの人に期待され店舗オープンを果たした。
 「薫風」という名前は、素材の「かおり」を大切にしたいというつくだ氏の想いと、創業である5月の季節の禅語から付けたそうだ。

「どら焼き 岩城島のレモンコンフィ入り」

 人と人との繋がりが生み出した、「どら焼き 岩城島のレモンコンフィ入り」を実際に店舗で頂いてみた。

店舗で提供されるどら焼きは、下の生地の上に、餡、レモンピールを置き、上の生地は添えるように置かれている。

 実は薫風のどら焼きは、「岩城島のレモンコンフィ入り」以外にも、季節や収穫状況に応じて金柑、オレンジ、サクランボ、りんご、など、定番の岩城島のレモン以外に4種類販売をしている。
 
 そのため、閉じてしまうと中がわからなくなってしまうため、閉じずに提供をしているのだ。

 定番の「岩城島のレモンコンフィ入り」のレモンは、甘味がピークになる2~3月に収穫された物を使用している。餡は控えめな甘さだが、レモンピールを一緒に食べることで、さわやかな甘さが加わり、違う美味しさがある。

 一口目は、王道の美味しいどら焼きだが、二口目はレモンの味が加わり、これまでにない味わいを感じさせてくれる。そして三口目はまた王道のどら焼きに戻り、レモンの味に後ろ髪をひかれる。
 フレーバーが色々あるので、お気に入りをぜひ探して欲しいが、一つ食べると二つ食べたくなるので、複数購入することをおすすめする。

おすすめの食べ方

 薫風には「和菓子と日本酒のマリアージュ」というコンセプトがある。

 店内には10種類以上の日本酒が置いてある。各和菓子に対し、冷と熱燗のおすすめをつくだ氏が教えてくれるので、お酒が好きな人はぜひ試して頂きたい。

 ちなみにどら焼きは、「しっかり目の穏やかな香りの日本酒を。熱燗も。」とのこと。

 日本酒が苦手な方には、和紅茶、中国茶などもあるので、その日の気分に合わせて色々楽しんで頂きたい。

お店情報
店名:薫風(くんぷう)

住所:東京都文京区千駄木2-24-5 1F

定休日:月、火(土日不定休)

営業時間: 13時30分~20時00分

本山智男
株式会社SweetsVillage 創業者。 3度の飯よりスイーツが好き。お菓子屋さんの取材を50件以上実施。様々なスイーツの企画にも携わり、スイーツの商品開発などにも携わる。