芋の生産から加工工程までこだわり抜いた芋けんぴ

学芸大学駅西口の住宅街の中にお店を構える芋研。芋を使ったお菓子を専門に取り扱う、芋のセレクトショップ。そんな、芋研が取り扱う芋けんぴは、常連客が大量に買って帰る人気商品の一つ。今回は、この芋研の芋けんぴについて特集を行う。

土佐(高知)特産の「けんぴ」の歴史

もはや全国に流通している芋けんぴ。そもそも芋けんぴはどうやって誕生したのか、その歴史を辿ってみると、古くは土佐(高知)で、小麦粉に砂糖・水を加えて固めてこねた、細長い短冊状の菓子のことを「けんぴ」という呼称で呼ばれていたことに繋がっていく。
「けんぴ」の起源は諸説あり、唐菓子から発展した説、室町時代に明から渡来した点心の一つである「巻餅」説、安土桃山時代に土佐の名産であった「白髪素麺」や麩の製法を応用した説などあるそう。

土佐(高知)特産としての芋けんぴ

では、どうやって「けんぴ」が芋けんぴに変わったか。遡ること江戸時代中期、薩摩(鹿児島)から土佐(高知)にさつまいもが伝来された。当時より台風の襲来が多く作物の被害に悩まされていた土佐(高知)だったが、地下に根を張り成長を続けるさつまいもは旱魃や多雨に強く、栄養価も高いことから常食として重宝されていった。このさつまいもを常食として採用、栽培をした薩摩藩、長州藩、土佐藩、肥前藩の4藩が、その後明治維新の中核をなす藩になっていったことは言うまでもない。

その土佐(高知)に伝来されたさつまいもを油で、「けんぴ」と同様短冊上に切って揚げたことから、芋けんぴは誕生した。当時油は貴重なものであった為、芋けんぴはハレの日の食として重宝されていたそう。

東京学芸大学で人気の芋菓子のセレクトショップ 芋研

そんな芋けんぴをはじめとする、人気のさつまいも商品を扱う”芋研”。芋研は、全国の選りすぐりの芋菓子を取り扱う芋のセレクトショップ。芋研の母体ビジネスが青果物の流通を中心に取り扱っていることから、全国各地のさつまいもを熟知しており、芋けんぴに最適なさつまいもを選定。

芋研が提供する芋けんぴ

今回紹介する芋研の芋けんぴ。芋のセレクトショップの芋研が提供する芋けんぴは、さつまいもの生産からこだわっている。芋研の塩味の芋けんぴは、鹿児島県の芋焼酎の原料として使われる黄金千貫を使用。

「今でこそ小さくなっているが、静岡はもともとさつまいもの産地、芋けんぴの加工メーカーにしてみても、加工品である黄金千貫が鹿児島県と静岡県の両地域で作られれば、リスク回避もできるのでメリットがある」さつまいもの生産者と加工メーカーの双方に価値のある仕組みを考え、今後黄金千貫を静岡で栽培していく予定である。

芋研の提供する塩味の芋けんぴ

芋研が取り扱う塩味の芋けんぴは、素材から調理方法までこだわり抜いた一品。芋は鹿児島県の黄金千貫の新物だけを使用。敢えて新物だけを使う理由は、芋を熟成させてしまうと、油であげた時に芋自体が縮んでしまい、食べた時のサクサクっとした食感が表現できないとのこと。
砂糖は、さつまいものでんぷんが含まれている麦芽水あめを使用することで、よりさつまいもの風味が感じられる。塩は静岡県の駿河湾の海洋深層水塩を使用。全ての素材に上質なものだけを厳選している。

素材だけでなく、調理方法にもこだわりが強い。芋を揚げる油は、この芋けんぴの為だけに作られたキャノーラ油を使用。また、従来の芋けんぴは、砂糖水に何度も芋けんぴを漬けるので、ほとんどの芋けんぴは砂糖の味しかしない。芋研の芋けんぴは、吹きかけ式を採用することで、塩と砂糖のムラを敢えて作り出し、消費者に芋けんぴ毎に起きる味の変化を提供している。

一口食べてわかるのが、ふとぎり故か芋の品の良い甘さと程よく感じる塩気、そして熟成されていない芋を採用することでおこる表面がカリカリしているが、中は空洞となっておりサクサクとした食感ということ。芋研の芋けんぴに固定客が多くついており、一度の来店時に大量に購入されていくケースも多いという。

芋研の提供する芋けんぴ

芋研が取り扱うもうひとつの芋けんぴは、塩味の芋けんぴのふとぎりとは対照的に細切りを採用。芋は糖度の高い紅はるかを使用することで、芋を揚げていく過程で縮んでいきカリカリとした食感を如実に感じられる。敢えて皮を残すことにより、皮とさつまいもの実の間にあるさつまいもの香りをより感じられるようにしている。

芋研の紹介

今回、ご紹介した芋けんぴを取り扱っている芋研は、学芸大学駅にお店を構えている芋菓子のセレクトショップ。ハレの日の食として重宝されていた芋けんぴだからこそ、芋研の芋けんぴは手土産やプレゼントに最適。お店の情報をもっと知りたい方は、ブランドストーリーをご覧ください。

[button url=”https://sweetsvillage.com/imoken/brand-story/” background=”#ba9e30″ size=”10″ wide=”yes” center=”yes”]さつまいもセレクトショップ芋研のブランドストーリーはこちら[/button]

芋のセレクトショップ”芋研” 住所はこちら

[box title=”お店情報” box_color=”#ba9e30″]店名:芋研(イモケン)

住所:東京都目黒区鷹番3-18-5 フィオーレ鷹番

定休日:水曜日

営業時間: 11:30〜19:00[/box] [gmap address=”東京都目黒区鷹番3-18-5 フィオーレ鷹番”]

本山智男
株式会社SweetsVillage 創業者。 3度の飯よりスイーツが好き。お菓子屋さんの取材を50件以上実施。様々なスイーツの企画にも携わり、スイーツの商品開発などにも携わる。

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