名古屋の人気和菓子店「芳光」の季節を感じる和菓子たち

名古屋にある老舗の和菓子店「芳光」は、嵐の松本潤さんや林修さんなど多くの著名人が贔屓にしていることで有名です。なかでも一押しなのが「わらび餅」。全国にファンがいるほど人気のメニューなのだそう。今回はそんな芳光の人気メニューや魅力をご紹介しましょう。

芳光はどんなお店?

名古屋といえば、味噌カツなどの名古屋めしやモーニングなどを思い浮かべる方は多いのでは?でも名古屋のおいしいものは、それだけではありません。実は名古屋は和菓子どころとしても有名なんです。

これは江戸時代、名古屋を治めていた御三家筆頭格の尾張徳川家が茶の湯を愛しており、茶の湯につきものの和菓子もともに発展したためだと考えられています。さらに名古屋は、京都などと違い、武士だけではなく一般庶民にもお茶を嗜む文化が広まったのだそう。そのためより一層和菓子の発展が促されたのだとか。

そんな名古屋には、何十年も続く老舗の和菓子店が数多く残っています。そういった和菓子の名店の一つが今回ご紹介する「芳光」です。芳光は、メディアでも取り上げられることが多く、名古屋市内だけでなく全国にファンがたくさんいます。

「ニッポンドリル」では、林修先生が「名古屋の和菓子店の中で3本の指に入る」と大絶賛!また全国を旅する高島屋和菓子バイザー畑さんが、自身の著書「日本全国 和菓子の食べある記」のなかで紹介していました。また嵐の松本潤さんのお気に入りのお店としても有名で、嵐ファンが足を運ぶことも多いのだとか。

そんな芳光がオープンしたのは1964年のこと。50年以上も続く老舗の和菓子店なのです。ただ100年単位で続く老舗店もある名古屋の和菓子店の中では、まだ新しい部類ともいえるかもしれませんね。芳光の創業者島岡孝光さんは、京都の老舗和菓子店「塩芳軒」で10年間も修業をしたのだそう。その後名古屋の名店「川口屋」にて勤めたのち独立し、「芳光」を創業したのです。

現在芳光は、2代目の島岡樒雄さんがついでいます。樒雄さんは、岐阜の和菓子屋「虎屋本店」の次男なのだそう。数々の受賞歴がある実力派の和菓子職人です。テレビチャンピオンで準優勝に輝いたこともあるといいます。そんな樒雄さんが和菓子づくりで大切にしていることが、「季節の変化にも左右される和菓子を、常に安定した品質で仕上げる」ということ。真面目で誠実な人柄が垣間見えますね。

また樒雄さんは、「時代に合わせた和菓子を模索しつつも、軸は保ち守るべき伝統はしっかり守りたい。」と語っています。進化しつつも古き良きものはしっかり受け継ぐ。そんな実直さが芳光の魅力なのでしょうね。

芳光の店舗は、繁華街からは少し離れたところにあります。それでも多くのお客さんが足を運ぶことからも、人気店であることが伺えますね。

店内には美しい和菓子が並びます。どれもまるで芸術品のようで、眺めているだけでも幸せな気分になりますよ。店内の商品は、季節ごとに変化します。味は同じでも、見た目が季節に合わせて変化するものもあり、頻繁に訪れると季節の移ろいを感じられます。

店内のお菓子はイートインスペースでいただくこともできます。しかも無料で煎茶と松露がつきます。お茶のおかわりも気軽にできますよ。観光の合間に「ちょっと休憩したい」というときにも気軽に利用することができそうですね。

絶品揃いの芳光の和菓子の中でももっとも人気なのが「わらび餅」です。連日すぐに売り切れてしまうほどの人気の品なのだとか。

全国にファンの多い芳光ですが、残念ながら芳光の和菓子は消費期限が短く地方発送は行なっていません。名古屋を訪れた際にはぜひ直接店舗に足を運んでみてくださいね。

芳光のおすすめメニューは?

わらび餅が人気の芳光ですが、それ以外の和菓子も絶品だと評判です。そんな絶品揃いのなかから特におすすめのものをご紹介しましょう。

わらび餅

ぷるんとした見た目からか、夏のイメージが強いわらび餅ですが、芳光のわらび餅は夏季は販売していません。芳光のわらび餅の販売期間は10/1~6/30まで。これは芳光のわらび餅は日持ちせず、常温でも美味しく食べられる季節の販売に限定しているから。おいしいものを1番おいしいタイミングで食べられるよう、配慮しているのです。

芳光のわらび餅は地方発送していないため、このわらび餅を購入するためだけに名古屋に来る方もいるのだとか。なんとわらび餅だけで1日に1000個以上売れることもあるといいます。

芳光のわらび餅のおいしさの秘密は、「わらび粉」にあります。わらび餅は本来わらび粉を作って作るものなのですが、実は一般的に販売されているわらび餅の多くが、わらび粉100%ではありません。それどころかわらび粉を使用していないものもあります。わらび粉はわらびの根から取れるでんぷんなのですが、1本のわらびから取れるわらび粉はほんの少し。しかも現在、わらびを栽培しているところ自体が減っているのだそう。そのためわらび粉は大変希少なものなのです。

そんななか芳光のわらび餅には本物のわらび粉がたっぷり使用されており、わらび粉以外のでんぷんは少量のみ。そんな芳光のわらび餅は、口の中でとろけるような滑らかな食感が魅力です。この食感を追求するために、なかのあんこも柔らかくしているのだとか。わらび餅にまとわせたきなこは、きめ細やか。口に入れるとあんこの優しい甘さと、きなこの香ばしい香りが広がります。わらび粉を使ったわらび餅特有のプルプル感や粘り感をぜひ堪能してみてくださいね。値段は310円です。

葛饅頭

涼しげな見た目で、夏になると食べたくなる葛饅頭。芳光の葛饅頭は、一般的な半透明のものの他に黒糖を使用した黒いものもあります。もちもちとした食感が特徴で、なかのあんは甘さ控えめ。くどくなくさっぱりとした味わいで、暑くて食欲がないときでも食べられそうです。

福寿草

きんとんには一般的な栗きんとんと、そぼろ状のあんをまとわせたものがあります。芳光の福寿草は、黒砂糖を使ったそぼろ状のあんを求肥とこしあんの芯にたっぷりまとわせたもの。なかのあんは甘さ控えめなので、さっぱりとした後味です。

羽二重餅

つるんとした羽二重餅に粒あんをつめたお菓子。このメニューは季節によって「椿もち」「木の芽もち」など見た目が変化します。それぞれの季節の羽二重餅を味わってみてくださいね。

焼栗

見た目は普通の栗きんとんですが、焼いているため香ばしさを感じられます。中には荒くカットした栗が混ぜ込まれており、つぶつぶの食感も楽しめます。

ういろ

名古屋名物の一つういろうですが、味わいはお店によって異なるのだそう。芳光のういろは、もっちりとしたういろう生地のなかに白味噌のあんを入れています。優しい甘さの中にほんのり塩気を感じる上品な味わい。こちらも季節ごとに「福梅」「花あやめ」などと変化します。

大納言かのこ

大粒の小豆のなかに求肥を入れた大納言かのこは上品な甘さが特徴。季節によってかのこの上にあしらわれる飾りが変わります。

里の秋

まるで本物の柿のような見た目のお菓子です。つややかな皮は練り切りで表現。柿の中には上品な甘さの粒あんが隠れています。この練り切りを使ったメニューも、季節によって様変わりします。

道明寺

なかに黒砂糖あんを入れた道明寺は、口に入れるとほろほろと解けるような食感が楽しめます。和菓子の繊細さを堪能できる一品です。

芳光の販売店は?

芳光の店舗は名古屋市内の1店舗のみ。繁華街から離れたアクセスのあまり良くないところにあるため、「行きづらい」という声も聞こえてきます。しかし芳光のお菓子は日持ちせず、手作業にこだわっているため大量生産もしていません。そのため基本的に実店舗のみの販売となっています。

ただし名古屋市内の百貨店にて数量限定ではありますが、わらび餅のみ販売しているそう。ただし取り置き不可で、すぐに売り切れてしまうとのこと。月曜日と木曜日は名古屋高島屋、木曜日のみ名古屋三越栄店、火曜日と金曜日は三越星が丘店で販売しているようです。「芳光の店舗までは行きにくい」という方は、これらの百貨店でゲットしてみては?

また東京の百貨店でもわらび餅が販売されることもあるようなので、東京近郊にお住まいの方は、情報をチェックしてみてくださいね。

以前は月曜日と火曜日に、国際センター駅の近くにある日本茶専門店「ピーストチャ」でも芳光のわらび餅がいただけたそうですが、残念ながらこちらのお店は閉店してしまったということです。

なお芳光の店頭で購入する和菓子は、1個から予約することができます。人気のメニューはすぐに売り切れてしまうこともあるため、予約をしておくと安心ですね。もちろんわらび餅も予約できますよ。12月30日・31日の生菓子は、事前予約が必須です。なお芳光の生菓子は、消費期限が当日限りとなっています。(15:30以降の受け取りの品は翌日まで)手土産などに利用したい方、県外から買い付けに来られる方は、要注意です。

芳光のお菓子は通販できる?

全国にファンの多い芳光。「名古屋まで行かなくても購入できる方法はないの?」という方も多いのでは?でも残念ながら、芳光の和菓子は消費期限が短く大量生産もしていないため地方発送は行なっていません。おいしいものを1番おいしい状態で届けたいという店主の思いの現れなのでしょうね。芳光の和菓子を食べたい方は、名古屋を訪れた際にぜひ直接店舗に足を運んでみてくださいね。

芳光の店舗情報

芳光の店舗は、市バスの「山口町」または「徳川園新出来」停より徒歩5分、名鉄瀬戸線の「森下駅」より徒歩15分ほどのところにあります。あまり歩きたくないという方は、バスがおすすめです。なお店舗横には4台と少ないですが駐車場もあります。芳光の周辺には徳川美術館など観光スポットもありますので、観光の合間に足をのばすのもおすすめです。

営業時間や定休日は変更になることもあるそうですので、事前に確認してから来店すると安心ですね。またわらび餅など期間限定の商品があるため、そちらも合わせて確認するとよいかもしれません。店内のイートインスペースは、利用できない日もありますのでご注意ください。

店舗情報
店名:芳光
住所:愛知県名古屋市東区新出来1丁目9-1
営業時間:9:00~18:00
定休日:日曜日・年始(元旦〜3日)