くるみを生でそのまま食べるのは危険⁉浸水処理で毒性を抜く方法とは

目次

生のくるみには毒があるって本当?危険と言われる理由は?

最近では、ダイエットや健康に良いとされるナッツ類がおやつとして定着していますが、そんなナッツの中でも生のくるみに“毒性”があるというウワサを聞いた事はありませんか?

今回は、そんな生くるみの毒性について、また、どう処理すれば毒性が抜けるか等、詳しく解説していきます。

日常でよくくるみを食べる方や、お菓子作りでくるみをよく使う方は必見です。

生のくるみには危険な毒性のある「アブシジン酸」が含まれているのは本当!

結論から申し上げると、生のくるみには「アブシジン酸」という成分が含まれており、そのアブシジン酸には毒性があると言われています。

生のくるみに毒性があるというウワサは、本当だったのですね!

アブシジン酸はナッツ類の種の外皮にある成分で、人体に摂りこまれると酸素の活動を抑えてタンパク質の消化を妨げるなど、人の体に悪影響を及ぼしてしまうそうです。

でも大丈夫!生くるみを下処理すれば安全に食べられる

では、生のくるみは食べられないのかというと、もちろんそんな事はありません。

正しく下処理すれば、安全に食べる事ができます。

この記事で、正しい処理の仕方や、安全に食べるための方法を知って、生のくるみを美味しくいただきましょう!

生くるみの食べ過ぎには注意!どんな危険性がある?

では、生くるみを食べ過ぎると、どんな悪影響がでるのでしょうか?

まずは、生くるみの危険性について見ていきましょう。

便秘や下痢などの腸内環境の悪化

くるみには不溶性食物繊維や脂質が多く含まれていますが、それらを摂り過ぎると便秘や下痢などの腸内環境の悪化を招きます。

不溶性食物繊維は便のかさ増し効果があり、便秘の改善に良いとされていますが、摂り過ぎてしまうと逆に便が硬くなり、便秘や下痢の原因となってしまいます。

便秘や下痢などの腸内環境改善のために食べる場合は、くれぐれもその摂取量に注意しましょう。

脂質の摂り過ぎで吹き出物や体重増加の要因にも

実は生くるみの成分の中で一番多いのは「脂質」。

くるみ100gあたり約6な5gもの脂質が含まれているのです。

ただし、くるみに含まれる脂質は、アンチエイジング効果や生活習慣予防など、体に良い効果があると言われているので、脂質が多いからと言って単に避ける必要はありません。

ですが、正しく処理した上で食べ過ぎないように注意しないと、やはり吹き出物や体重増加の要因となってしまいます。

くるみはナッツ類の中でも柔らかく食べやすいため、ついつい無意識で食べ過ぎてしまいます。

食べる前に量を決めてから食べるなど、工夫して摂るようにしましょう。

肝臓に負担がかかる

くるみに含まれるビタミンEは、脂溶性で体外に排出されにくい性質を持っています。

そのため、過剰に蓄積されたビタミンEは、肝臓に負担をかけて、肝機能障害を起こす可能性があります。

ただし、これもまた、食べ過ぎによる悪影響です。

適量を守って食べれば避けられるので、食べ過ぎには充分注意しましょう。

アレルギーを悪化させる恐れも

くるみはアーモンドやカシューナッツ等と同じく「ナッツ類」になります。

元々くるみ以外のナッツ類にアレルギーがあり、くるみでは影響がないとしても、大量に摂取する事により新たなアレルギーの誘発や、元々のアレルギーの悪化に繋がりかねません。

くるみに影響がないアレルギーでも、充分注意して摂るようにしましょう。

生くるみの危険な成分を取り除く方法①浸水処理

では、生くるみの危険な成分を取り除くには、どのような方法があるのでしょうか?

ひとつめは「浸水処理」と言われる簡単な処理方法から見ていきましょう。

浸水処理(ソーク)で生くるみの毒抜きをする

生のくるみは、数時間水に浸ける事で酸素抑制物質を中和する事ができます。

処理方法は簡単。

ボウルに生のくるみを入れ、くるみがひたひたになるまで水を注ぎ、6時間程度浸しておくだけ。

浸水処理で味が変わる事はないので、安全に美味しく食べることができますよ。

毒が抜けたか見分ける目安やサインは?

くるみをしばらく水に浸けておくと、水が黄色や茶色に変色するのですが、これが酵素抑制物質がくるみから抜けたというサインです。

2時間程度経ったら、水が変色しているかどうかチェックして、しっかり毒が抜けているかどうか確認してから食べるようにしましょう。

生くるみ浸水処理後の保存方法と注意点

浸水処理したくるみはよく水気を切り、しっかり洗ってください。

浸水した水には酸素抑制物質が含まれているので、浸けたままにせず必ず捨てるようにしましょう。

処理後のくるみは水分を多く含むので、密閉容器に入れて冷蔵保存するのがおすすめです。

生くるみの危険な成分を取り除く方法②ローストする

次に、ロースト(空煎り)する方法を見ていきましょう。

浸水処理に比べひと手間かかりますが、ローストしたくるみは加工しやすく香ばしさが増すのでおすすめです。

生くるみは45度以上の熱で加熱すると危険な毒性がなくなる

生のくるみに含まれる酸素抑制物質は、45℃以上の加熱で壊れると言われています。

その簡単な加熱処理としておすすめなのが、ロースト(空煎り)です。

オーブンやフライパンを使って手軽にできる方法なので、素焼きにして食べる場合や、お菓子作りなどに使う場合におすすめです。

生くるみをローストするやり方は?

オーブンを使ったローストの方法としては、180℃のオーブンに重ならないようにくるみを並べ、10分程度焼きます。

時々天板の前後を入れ替えたり、くるみを混ぜるなどして、焼きムラを防ぎましょう。

フライパンで加熱する場合は、生のくるみをフライパンに入れて、常に混ぜながら煎ります。

中火で5分程度、ほんのり焼き色がついて、香ばしい香りが立ったら出来上がりです。

生くるみロースト後の保存方法と注意点

ローストしたくるみは、バット等にあけて完全に冷まします。

冷めたら密閉容器に移し、シリカゲル等の乾燥剤と一緒に入れて保存します。

ローストくるみは常温保存できますが、湿気に弱いため、高温多湿を避け、冷暗所で保管するようにしましょう。

生のくるみとローストしたくるみにはこんな違いが

生でも美味しいと言われるくるみですが、ローストしたくるみとはどんな違いがあるのでしょうか?

味や栄養成分別で詳しく見ていきましょう。

味わいや食感の違い

生のくるみは加熱処理していないため、水分を多く含みしっとりしています。

味はくるみ本来の甘味を感じられる、素朴な優しい味。

ローストしたくるみは、水分が抜けてカリッと軽い食感に変化し、風味も香ばしさが増します。

お菓子の材料などに使う場合は、この香ばしさが決め手になる事もあるので、ローストがおすすめです。

栄養成分の違い

生のくるみは、熱を通さない事で、くるみに含まれる特徴的な栄養素であるオメガ3脂肪酸や、熱に弱いビタミン類も効率よく摂取する事ができます。

ローストしたくるみも、生のくるみとほぼ変わりなく栄養が摂れますが、加熱する事によってポリフェノールが2倍になるとも言われており、ポリフェノールの抗酸化作用などが期待できます。

保存方法や保存期間、賞味期限の違い

生のくるみとローストしたくるみには、保存方法に違いがあります。

生のくるみはチャック付き袋や密閉容器などに入れて冷蔵庫で保存するのがベストです。

匂いが付きやすいので、匂いの強い食品と一緒に保存する事は避けましょう。

賞味期限に関しては、水分が含まれている生のくるみの方が短くなります。

冷蔵保存した上で、1ヶ月を目安に食べ切りましょう。

ローストしたくるみは加熱処理されているため、生のくるみよりも水分が少なく傷みにくいので、乾燥材とともに密閉容器やチャック付き袋に入れて冷暗所にて常温保存ができます。

湿気には弱いので、くれぐれも湿気対策はしっかりしておきましょう。

正しく保存すれば3ヶ月程度は日持ちしますが、開封すると賞味期限は短くなってしまうので、早めに消費するようにしましょう。

オススメの生くるみの食べ方

生くるみの処理方法や保存方法がわかったら、今度は美味しい食べ方について見ていきましょう。

そのまま食べても美味しいくるみですが、ちょっとアレンジするだけで、より美味しく食べる事ができますよ!

いつ食べるといい?健康にいい生くるみの食べ方

くるみを食べるのにベストなタイミングは、食事の30〜1時間前。

くるみ等のナッツ類は少量でも満腹感を得やすく、咀嚼による満足感もあるので、自然とその後の食事の量を減らせます。

食事のタイミングから逆算して、食事の前に食べる習慣をつけておきましょう。

ちょっとひと工夫♪おいしい生くるみの食べ方

いつものメニューにくるみをトッピングするのもおすすめ。

お気に入りのグラノーラにプラスしたり、ジャムやアイスクリームにトッピングするだけで、噛みごたえのある食感になります。

くるみはクセがなくほんのり甘味があるので、お菓子以外のお料理にプラスしても美味しいですよ。

鶏肉や野菜との相性もいいので、ぜひ一度、いつものお料理にプラスしてみてください。

くるみを使用した人気おすすめレシピを紹介

くるみを使った人気のおすすめレシピをご紹介します。

チョコレートを使ったビターな味わいのケーキに、ほんのり香るくるみがアクセントになった大人のケーキです。

くるみをローストする工程も出てくるので、ぜひチェックしてみてください。

【ビターな味わい イチジクとくるみのケーク・オ・ショコラの作り方・レシピ】

生くるみはきちんと処理すれば危険な成分がしっかり取り除けます♪]

ご紹介した通り、生のくるみも正しくきちんと処理すれば、危険な成分はしっかり取り除く事ができます。

正しく処理して、安全に美味しく生くるみを楽しみましょう。

 

よくある質問

くるみは何に効きますか?くるみって栄養ありますか?

くるみは多くの健康効果がある食品です。主な効能は以下の通りです:

  1. 心臓の健康:くるみはオメガ3脂肪酸が豊富で、心臓の健康をサポートします。高い抗酸化物質の含有量も、心臓病のリスクを減らすのに役立つ可能性があります。
  2. 脳の健康:くるみに含まれるオメガ3、抗酸化物質、ビタミンは、脳の健康を維持し、認知機能の低下を防ぐのに有効です。
  3. 抗酸化作用:くるみはビタミンE、メラトニン、植物性化合物を含み、これらの抗酸化物質は体をフリーラジカルから守るのに役立ちます。
  4. 糖尿病のリスク減少:くるみを定期的に摂取することは、特に2型糖尿病のリスクを低下させる可能性があります。
  5. 体重管理:くるみは高い食物繊維と良質の脂肪を含むため、食欲を抑え、体重管理に役立つことがあります。
  6. 炎症の軽減:くるみに含まれる多価不飽和脂肪酸は、体の炎症を軽減する効果があるとされています。

ただし、くるみはカロリーが高いので、適量を摂取することが重要です。また、アレルギーを持つ人は注意が必要です。健康効果を最大限に活かすためには、バランスの取れた食事と組み合わせて摂取することが推奨されます。

くるみは毎日食べても大丈夫ですか?くるみは一日何個食べたらよいですか?

はい、くるみは毎日適量を食べることで健康効果を享受できます。ただし、適量を守ることが重要です。くるみは栄養価が高い一方で、カロリーも高いため、過剰摂取は避けるべきです。

一日に推奨されるくるみの摂取量は、大体28グラム程度、約7つのくるみ半分(つまり、約14個のくるみ片)が目安とされています。この量は、約200カロリーに相当し、良質な脂肪、タンパク質、繊維質を含みます。

 

くるみは生とローストのどちらがいいですか?

食用 くるみを摂取する際に、生かローストかを選ぶことは、主に個人の好みと健康上の目的に依存します。両方の形態でのくるみの特徴を比較してみましょう:

  1. 生くるみ:
    • 生のくるみは加工されていないため、栄養素がそのまま保たれています。
    • 必須脂肪酸などのオメガ3脂肪酸、ビタミン b6などのビタミン、ミネラルが豊富です。
  2. ローストくるみ:
    • ローストすることで、味が強調され、より香ばしくなります。
    • ローストにより、くるみの食感が変わり、より香ばしく、クリスピーになります。
    • 加熱処理により、一部の栄養素が減少する可能性がありますが、全体的な栄養価は高いままです。

生くるみはお腹を壊しますか?

生くるみがお腹を壊すかどうかは、個人の消化器系の状態やくるみに対する耐性によって異なります。一部の人にとって、生くるみは消化しにくいことがあり、以下のような問題を引き起こす可能性があります:

ファイト酸:くるみを含む多くの種子類にはファイト酸が含まれており、これが鉄や亜鉛などのミネラルの吸収を阻害することがあります。これが原因で消化不良や胃腸の不調を感じる人もいます。

アレルギー反応:ナッツ類に対するアレルギーがある人は、くるみを食べると消化器系に不調を感じることがあります。

お腹を壊さないためには、適量を摂取し、新鮮なくるみを選ぶことが重要です。また、ローストすることで消化しやすくなる場合があります。消化に問題を抱えている場合やくるみに対するアレルギーがある場合は、医師に相談することをお勧めします。

生くるみを水に浸すのはなぜですか?

生くるみを水に浸す(「ナッツの活性化」とも呼ばれる)のは、その消化を助け、栄養素の吸収を高めるためです。

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男勝りの2児の母 ジンジャーブレッドちゃんのジンちゃん
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