山口県に行ったら絶対食べておきたい!「豆子郎」のお菓子

山口県民には超有名な「豆子郎」(とうしろう)のお菓子。全国区になると知らない人も多いかもしれません。
それもそのはず、ある理由から「豆子郎」のお菓子を売っているお店は山口県内にしかないのです。
では「豆子郎」のお菓子やお店の情報や、県外の人はどのように入手できるのか、そのあたりを詳しくご紹介していきたいと思います。

豆子郎はどんなお菓子屋?

山口銘菓として、愛される「豆子郎」は、昭和23年に田原美介氏によって創業したお菓子屋さんです。
創業者の田原美介氏は、満州鉄道の技術者出身という、お菓子とは無縁の経歴のた持ち主でした。その田原氏がお菓子屋さんを作りはじめた時の最初の商品は“ぬかパン”。戦後の食糧難の時代に米ぬかと配給された少量の小麦粉、貴重だった少量の砂糖。これを混ぜて作ったものを製造販売していました。

すると、田原氏の存在が山口の外郎作りの創始者である『福田屋』のご主人の目に留まり、田原氏の美味しさを追及するその姿勢に感銘を受け、外郎の秘伝の製法を伝授してくれることになったそうです。
そこから外郎を作ることになった田原氏ですが、元祖でもあり師でもある『福田屋』の右に出てはいけない、出るものではないという気持ちから「外郎」ではなくオリジナルの「豆子郎」というお菓子を生み出すきっかけになったそうです。

このように山口外郎からヒントを得て作られた看板商品の豆子郎が店名になったのですが、読み方の「とうしろう」には「(お菓子、外郎作りの)しろうと」という意味も込められているそう。勘の良い方なら、豆子郎の店名を見た時に「おや?」と思ったかもしれません。
田原氏の遊び心と、師への尊敬と謙虚な気持ちを感じるネーミングですよね。

また、この豆子郎が購入できる店舗ですが、なんと山口県内にしかないということなのです。
なぜなのか・・。それは、山口本店の奥にある工場で午前2時から仕込みはじめ、できた豆子郎を1時間以内に届けられる場所にしか店舗を構えない、というポリシーがあるからだそうです。
材料や人力、なんといっても“豆子郎の美味しさ”を守る為に、こういう点にしっかりこだわっているところもまた、真面目にお菓子作りに取り組んでいるという証でもあります。

豆子郎で絶対に食べておくべきお菓子は?

山口外郎の福田屋からお菓子作りの礎を得た豆子郎の田原氏。
ここからはその豆子郎で生まれた、今すぐ食べたくなってくるお菓子の色々をご紹介していきます!

生絹豆子郎(すずしとうしろう)

「生絹」と書いて「すずし」と読む、生絹豆子郎のご紹介です。
最初に豆子郎で生まれた、この生感触の生絹豆子郎は10cmほどの細長い形。蒸したての絹のようになめらかな美味しさを味わってもらいたいというお菓子の為、日持ちは1日から3日ほど。
味は通年の品揃えに、北海道産大納言入りの小豆、白小豆入りの抹茶の2種類。他にも季節限定の味が2種類あるようです。

他地域の一般的な外郎は米粉や小麦粉が多い中、豆子郎は鹿児島県産のわらび粉と豆が入っている為、ぷるんと軽い口当たりになっているのが特徴です。

商品名 生絹豆子郎

廉子豆子郎(れんじとうしろう)

続いては生絹豆子郎を長く楽しめるようにと生まれたお菓子、廉子豆子郞(れんじとうしろう)です。

この廉子豆子郎を日持ちする為に使っているのが、豆子郎をフィルム密閉する為の技術です。これは創業者の田原氏が発案したもの。
元技術者である田原氏ならではのひらめきが、今も変わらない豆子郎の美味しさを保っているというわけです。

廉子豆子郞は生絹豆子郎に比べもっちり感が増した食感です。保存により少し堅くなった場合は電子レンジで温めるともっちり感が蘇ります。
創業以来「豆子郎」の名だったこのお菓子を、「廉子豆子郞」に改名したのは2020年12月のこと。温めて美味しく食べられるというイメージをユニークに名前にも盛り込んでいます。

商品名 廉子豆子郎(れんじとうしろう)

羹郎 燦

羹郎 燦(かんろう さん)も、他では出会うことのできない、豆子郎オリジナルのお菓子です。
2層になった2色羊羹、といった見た目のお菓子ですが、食感や味はちょうど羊羹と外郎の真ん中くらいだそう。白い層は白小豆と白こしあん、黒い層は小豆のこしあんを使った生菓子仕立てのお菓子になっています。

商品名 羹郎 燦(かんろう さん)

のんた

最後はシンプルなネーミングのお菓子、のんた。
誰かの名前から来ているのかなと思いきや、「のんた」とは毛利氏の居城があった山口の方言の、喃貴方(のうあなた)を略したものが由来となっているようです。
公式ホームページの商品紹介にも「方言銘菓 のんた」と紹介されていました。

見た目はシンプルなお饅頭に見えますが、一口いただくと皮にほんのりと控えめに黒糖の風味が香るお饅頭です。中にはなめらかな小豆のさらしあん。
ふるさとに伝わる言葉を大切にしているように、この美味しいのんたも後世に伝えていってほしいと思える美味しいお菓子です。

商品名 のんた

豆子郎の期間限定商品は?

豆子郎にはその季節にしか食べることのできない季節限定菓子がありますのでいくつかご紹介していきます!

春から初夏にかけてのお菓子、手鞠柑。
江戸時代に初めて日本に来た夏蜜柑の言い伝えに沿って創作した、夏蜜柑まるごと!なビジュアルがなんとも夏らしいお菓子です。
皇族の方々からもご愛顧いただいている逸品だそう。

続いては、先ほどご紹介した生絹豆子郎からも季節の味が2種類。
春には、季節の香りを感じられる「蓬(よもぎ)」、秋には秋の風味をしっかり楽しめる「栗」。

冬季限定には「栗ころも」というお菓子。荒めに砕かれた、秋の味覚の栗がごろごろと入った生菓子です。中身はほとんどが栗!といった感じなので、栗好きの方は必食ですよ!
上に乗った金粉も豪華なので手土産などにも喜ばれそうですね。

クリスマスの時期には豆子郎にはクリスマスケーキが登場するとか!
2020年はお休みでしたが、クリスマスには敷地内をキャンドルでライトアップするイベントも毎年実施されているそうです。幻想的で素敵です!

豆子郎には茶房がある?

山口にある豆子郎本店の奥に行くと『豆子郎の里 茶蔵庵』という茶房があります。
こちらでは併設している工場で作ったばかりの豆子郎や美味しいお茶をいただくことができます。
特にSNSや口コミで話題になっているのが、豆子郎敷地内にある立派な日本庭園です。
四季折々の姿を見せてくれる見事な日本庭園を眺めながら、まったりと美味しい豆子郎を食べられる、贅沢な時間を過ごせる茶房になっています。
本店に行かれる際は、是非茶房にも行かれることをおすすめします!

豆子郎のお菓子はお取り寄せできる?

公式ホームページに載っている商品をお取り寄せすることは可能です!
しかし、オンラインショップなどのネット通販は行なっていない為、各店舗、または工場に直接電話をして注文という形になります。
【工場直通電話番号】フリーダイヤル 0120-21-5655 受付時間 9:00~17:00

商品一覧

また、商品一覧には、『進物にご利用のお客様のために価格掲載は控えさせていただいております』との理由により、価格が記載されておりません。
気になる方は電話にてお問い合わせをお願いいたします。

豆子郎は予約できる?

豆子郎のお菓子は、1日に作れる個数が限られている為、日持ちのしない生絹豆子郎などは売り切れてしまうことあります。
各店舗に電話予約しておくと確実に購入できますので、是非事前予約をご利用ください。

店舗一覧

豆子郎の行き方は?

JR山口線「山口」駅から徒歩約20分のところにある、立派な門構えのお店です。
広々とした日本庭園があるのでわかりやすいと思います。

店舗情報
店名:豆子郎 本店
住所:山口県山口市大内御堀一丁目1番3号
営業時間:7:00〜19:00
定休日:元旦